【NEW】医師国家試験 精神科過去問解説 順次UP中です!→【国試過去問】

115E18

うつ病の症状に含まれるのはどれか。

a. 食欲がない。

b. 入眠時に幻視を認める 。

c. 好きなことだけにやる気を出す。

d. 簡単な計算でも間違った答えを言う。

e. 自殺せよという命令がテレパシーで頭に入ってくる 。

解答:a

a. うつ病はバッテリーの消耗を想定しよう。あらゆる五感入力がスローないしは正常に機能しなくなる。重症化すると、出力(言動やレスポンス)にも影響してくる。これらを、精神運動抑制 psychomotor retardationと呼ぶ。「精神」は入力(するときの感受性や思考プロセス)、「運動」は文字通り出力を現していると考えるとわかりやすいだろう。

b. 入眠時幻覚といえば、ナルコレプシー。
c. 真のうつ病はバッテリーが摩耗しており、むしろ好きなことでさえもやる気が出ない。そんな自分への期待値と現実とのギャップが、自責感へと発展していく。
e. 幻聴は統合失調症等。

うつ病は重症化していくと上記の自責感から「周囲に対して申し訳ない」となり、「生きていく事自体が社会に申し訳ない」という思考に発展し、自殺念慮が切迫してくる。責感という一人称の現象が、周囲(二人称)、さらには社会(三人称)にまで波及していくことに気がつくと、重症度を推し量れるようになる。

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