我が国の精神保健について誤っているのはどれか。
a. 精神科診療所の数は増加傾向にある。
b. OECD諸国と比べて人口当たりの精神科病床数が多い。
c. 医療観察法は自殺念慮の強い場合の入院に関する法律である。
d. 精神科救急医療システムは都道府県や政令指定都市が取り組む。
e. 精神保健福祉センターでは精神障害者福祉手帳の障害等級の判定を行う。
解答:c 医療観察法は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対する、医療的フォローアップを行うための法律。2003年制定と精神科関連の法律としては新しいが、これは2001年に起きた大阪教育大附属池田小学校事件の影響が大きいとされる。
a. 現在も増加傾向。
b. ライシャワー事件等を契機に昭和後期からずっと30万床を超えている。OECD比較でもダントツ1位で、イタリアの約25倍、アメリカの約8倍だ。
d. 精神科救急は病床の確保やベッドコントロールという医療システムマネジメントだけでなく、非自発的入院が多いことから行政や法律といった枠組みがガッツリからむため、都道府県ごとに分かれた制度となっている。患者さんの住所がたとえば大阪府でも、診察が必要と判断されたのが東京都であれば東京都内でベッドコントロールされ、東京都内の病院に入院することとなる。
e. 正しい。精神保健福祉センターは各都道府県・政令指定都市に設置されている。