【NEW】医師国家試験 精神科過去問解説 順次UP中です!→【国試過去問】

114D7

アルコール依存症の治療について適切なのはどれか。

a. 入院治療が第一選択である。

b. 断酒会は匿名参加が原則である。

c. 離脱症状にベンゾジアゼピン系薬を投与する。

d. 脳症の予防としてビタミン D は有効である。

e. 患者に知らせずに抗酒薬を食事に混ぜて投与する。

解答:c. 正しい。アルコールと交差耐性を有するベンゾジアゼピン系薬剤による置換を行う。

a. 入院してアルコールリハビリテーションプログラム Alcohol rehabilitation progream (ARP)等を提供している精神科病院も多いが、通院による治療がまず先にあり第一選択だ。

b. 自助グループのうち、アルコール・アノニマスAlcohol anonymous (AA)と断酒会は混同されやすいが、前者がまずアメリカで始まり、日本に広まると共に、AAから断酒会が日本独自に誕生・進化して現在に至る。AAは12のステップと12の伝統を重んじており、anonymous(「匿名」の意)が示しているように匿名で本人のみが参加できる。断酒会は実名かつ本人も家族も参加が可能となっている。断酒会の方が運営に関しても構造化されて自治組織化された色が強いが、どちらの自助グループも「集団で回復する」ことによるメリットは非常に高い。なお、AAが本人だけの参加に限定していることから、AAの流れを汲み、本人から影響を受けた家族のための自助グループとしてアラノン (Al-Anon)が存在する。

d. Wernicke脳症にはビタミンB1を予防投与する。

e. 地雷選択肢。禁忌に近い。

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