強迫性障害の患者にみられる強迫行為について正しいのはどれか。
a. 行為中の記憶がない。
b. 行為は夕方増悪する。
c. 行為によって不安は緩和される。
d. 患者は行為を合理的であると考えている。
e. 「行為をしなさい」という命令が外から頭の中に吹き込まれる。
解答:c
強迫行為は、強迫観念が大きくなりすぎて自分の中(思考)だけで留めておけなくなった場合に出現する。同時に、強迫観念による不安も中には留まっておけなくなり、それを解消するために行動せざるを得ない状況であるとも言えよう。よって強迫観念だけの場合よりも重症度は高い。「戸締まりしたか不安」が常につきまとっていても、「でも、オートロックだし大丈夫なはずだよね」と思考の中だけで不安を解消しきれる場合と、実際に家まで戻って確認しようとしてしまう場合との違いを想像してみよう。
a. 断片的な記憶喪失は、解離症状である。
b. 日内変動に共通性は認めない。
d. 不合理だからこそ余計に苦しいのである。本人や周囲も納得の理由で合理的な行為なのであれば、それは健康な不安に基づく行為である。
e. 幻聴は明確に外から音声としてキャッチされる(実際はすべて患者さんの頭の中で生じて入るが)ため、思考の域を出ない強迫観念とは区別される。