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115C33

統合失調症の一次妄想と考えられる患者の言葉はどれか。3つ選べ。

a. 「(突然)自分は聖徳太子の子孫であるとわかった」

b. 「(食事の途中で)誰かが自分の食事に毒を盛っている」

c. 「(漠然と)何か恐ろしいことが起こりそうでひどく怖い」

d. 「(電車の客が会話する様子を見て)自分の悪口を話している」

e. 「(隣家を見て)あの玄関の形は明日自分が死ぬことを意味している」

解答:a. c. e. 一次妄想=妄想気分、妄想着想、妄想知覚の3つである。
もともと一次妄想は、発症形式の観点でカテゴライズされた歴史がある。一次妄想はそこには何のロジカルな裏付けがないことに着目して問題を解こう。つまり、こちら側が「なんでそう思うのですか?」と問うても、患者さん自身も「なんでかはわからないのですが、そうに違いないと確信しているんです!」と返ってきそうな内容を選択することだ。
逆に言うと、二次妄想は何らかの前置きが必ずあって、それを他者に説明できうる。何らかの前置きがあった上で二次的に生じた妄想なので二次妄想というわけだが、この前置きの内容をほとんどの患者さんは「話したら狂っていると思われる」などと考え、診察中でもオープンにすることはない。

なお、混同しやすいのだが、一次妄想のうち、妄想着想は本問題の選択肢aのように1分節でより一次妄想らしい妄想だ。選択肢eのように「隣家の玄関の形が、明日自分は死ぬことの啓示である」といった2分節妄想知覚は「玄関の形」という前置きがあるものの、なぜ「自分が死ぬ」という結論に達するのか、飛躍し過ぎていて裏付けとしては理解に苦しむため、一次妄想としてカウントされる。選択肢cはまだ妄想としては確信にまで至っておらず、漠然とした不安感が残っており、「恐ろしいことが起こりそうな気がする」という迷いが存在しているのに気づくだろうか?これが妄想の前駆症状である妄想気分だ。「妄想」とは付いているもののまだ妄想にはなっていない前段階であることに留意しよう。
bの被毒妄想やdの被害妄想は、いずれも「食事」といういきさつから「毒」に至り、「会話」から「悪口」に至る。結論は理解できなくても、いきさつはわからなくもないのが二次妄想である。

専門医向け:シュナイダーは、1級症状として2分節の「妄想知覚」を挙げ、1分節の「妄想着想」を2級症状として区別した。前者がインプットされた刺激が思考のプロセスの中で妄想になっていくのに対し、後者はインプットされた刺激(あるいはひらめき)の内容そのものが直接妄想内容になる。シュナイダーは統合失調症を思路の障害ということに重きを置いたため、思考を介さない1分節よりも思考を介して出現する2分節の妄想のほうが統合失調症により近いと考えていた。しかし、やはり1級症状においても他の精神疾患でも認められるため、現在は思路障害についての問診目的で用いられているにとどまる。

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