自閉スペクトラム症の特徴でないのはどれか。
a. 男児に多い。
b. 感覚過敏がある。
c. 対人関係の苦手さがある。
d. 就学前に症状がみられる。
e. 物事に対するこだわりが弱い。
解答:e
e. 物事に対するこだわりが強い、が正しい。
a. 男女比4:1
b. 感覚過敏は五感すべてに対応し、例を列挙するが、児童によってどれが該当しているかは様々である。
– 視覚:みんなが過ごせる明るさでもまぶしがる、モノの位置がいつもとずれていることにすぐ気がつく
– 聴覚:特定の音が心地よい、あるいは不快に感じる、騒音の中で会話ができない、音感がある、微細な音も大きく感じる
– 嗅覚;特定の匂いに敏感、微細な匂いに反応
– 触覚:タートルネックや服のタグを不快に感じる、他人に触られるのに忌避感、特定のぬいぐるみ等が心地よい
– 味覚:特定の食べ物しか食べない、少し混ざっているだけでも反応する。
なぜか特定の状況でパニックになったり、他者に攻撃的になったりと行動化している場合、こうした感覚過敏に起因していることもある。本人にとってはそれぐらい身の危険を感じるほどの圧倒的侵襲的なストレス刺激なのである。
c. 不確実性に対する不安が非常に強い。自分が取り組んでいることに対して明瞭化がなされていればいるほど本人は安心する。このため、対人コミュニケーションのような全く予想の付かないランダムな事象に対して極度に不安や忌避感を覚える。
明瞭化され確実性のある事象に安心感が大きい=その事象だけに固執し、他の(より不確実な)事象は回避たいと考える=こだわりが強い(選択肢e)、という図式だ。
d. 早い子で2歳台、3才児健診、5歳時就学前健診等がスクリーニングゲートになっている。