【NEW】医師国家試験 精神科過去問解説しました!→【国試過去問】

116A18

23歳の男性。仕事中居眠りが多く、重要な商談や会議中でも発作的に眠ってしまうことが多いため来院した。数年前から夜間十分に眠っても日中に何回も急に強い眠気を認めるようになり、最近は大笑いや驚いた後に急に全身の力が抜けることが増えてきたという。神経診察に異常を認めない。

この患者にみられる可能性が高い特徴はどれか。

a 入眠時に金縛りにあう。

b 夜間せん妄を合併する。

c 睡眠発作後にも眠気が残る。

d 睡眠中にパニック発作を認める。

e 睡眠中に脚を動かしたいという欲求が強まる。

解答:a ナルコレプシーは、116C8でも出題されたREM睡眠と深い関連があるとされる疾患だ。本問題中にあるような日中の強い眠気は睡眠発作と呼ばれ、どんなに重要な約束や授業中等でも授業のつまらなさとは関係なしに眠り込んでしまう。REM睡眠自体は116C8で説明したように、「脳は起きてて、身体は休む」というあべこべの状態が作られており、ナルコレプシーはさらにこの状態が昼夜問わず生じる二重のあべこべ状態に陥っていると考えるとわかりやすいかもしれない。
入眠直後はREM睡眠によって入眠時幻覚を生じるほか、REM睡眠の脳の状態で少しでも覚醒していると、身体は休んでいるので「金縛り」すなわち睡眠麻痺を生じる。大笑いの時にREM睡眠モードとなり身体が休んでしまって脱力が生じ、カタプレキシーとなる。


b 夜間せん妄は、意識の一過性障害であり睡眠と直接は関係がない。
c この選択肢はトリッキーだが、睡眠発作の直後はスッキリ目覚めている(=スッキリするために発作が来る)。しかしまた眠気が出てきて睡眠発作に至ることを繰り返す。眠気が「残る」ことはない。
d パニック発作は不適切な場面での交感神経優位症状である。不安や恐怖がベースにあり、睡眠とは直接は関係がない。
e レストレスレッグス症候群についての記載である。

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