【NEW】医師国家試験 精神科過去問解説 順次UP中です!→【国試過去問】

116F17

生活保護について正しいのはどれか。

a 生活保護基準は都道府県が定める。

b 被保護世帯数は近年減少傾向にある。

c 被保護世帯数は高齢者世帯が最も多い。

d 生活保護の開始は要介護状態が最も多い。

e 生活保護受給者は国民健康保険に加入している。

解答:c 生活保護の対象者は、基本的な生活の資金が何らかの理由で絶対的に不足している者だとイメージしてみよう。様々な理由があるだろうが、「高齢」であることは、定年退職という言葉に代表されるように避けられないリスク要因である。また、医学的観点からも様々な疾患に罹患しやすくなり健康であることを維持するのもより困難になる。統計学的な知識をインプットしなくても、このような思考過程で正解にたどり着けるだろう。

a. この選択肢は迷ったかもしれない。生活保護「基準」であることに留意しよう。そうすると、全国一律でないと不公平が生じるだろうという結論に達することができる。基準を定めるのは国(厚生労働大臣)が正解。
b. 勉強している人ほど難しい選択肢。「世帯」数であることに留意しよう。世帯数は人員数より少ないことが一般的である中、高齢者受給者数≒高齢者受給世帯数:9割超の高齢者世帯が単身世帯であり、受給者全体の半分超が65歳以上の高齢者であることを知っていると、減少傾向にはないことがわかる。余裕があれば最新のデータを末尾参考リンクに貼っておいたのでチェックしてみよう。
d. 冒頭の解説でも書いたように、生活に困窮しているイメージを持っていただけると「貯金等の減少・喪失(40.9%)」「働きによる収入の減少・喪失(22.3%)」、「傷病による(19.2%)」がTOP3であることとリンクするだろう。数値は2020年度のものだが、TOP3で過半数を占める傾向は変わらない。
e. 生活に困窮しており、国民健康保険料を支払える余裕などない、と考えると良いだろう。ほとんどの生活保護受給者は「生活保護法」により医療費は原則タダ(=医療扶助がなされる)である。最低生活費に定められている生活保護の8つの扶助制度についても調べておくとよいだろう。

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