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はじめに:メンタルヘルスをわかりやすく

はじめに:設立の経緯

ダイバーシティクリニックへようこそ!
本サイトは、もともと同名のクリニック開業準備の一貫で開設されたものだったのですが、当初特化しようと計画していた外国人メンタル診療が、COVID-19の影響で中止せざるをえなくなり、本サイトの内容もメンタルヘルスの情報発信のみに方向転換することとなりました。

せっかく情報発信をさせていただくので、特に医療、福祉、教育業界などのメンタルヘルスに関わる人々に向けて「メンタルヘルスをわかりやすく」をモットーに、精神症状の解説やコラムを配信していきます。また、精神医学と関係深い心理学の知見も交えながら、日々の生活に必要なメンタルヘルスに役立つ知識や考え方も提供していきます。

疾患ではなく症状が先

心療内科・精神科における最大の壁は、その多くに医学的原因が解明されていないことにあります。また、1:1の因果関係で成立しうる疾患は少なく、多因子が絡む複雑なプロセスが存在していることは現段階で間違いないようです。

これと呼応するように、実際に来院してくださった患者さんに受診までの経緯を問うと、少なくとも、「何か自分の中で異変が起きているな」というところまではわかるけれども、でも「具体的にこの異変をどう解釈したらいいかわからない」とか、「どのように対処すればいいかわからない」という声が多く、「異変」の捉えどころのなさに苦慮されているというフィードバックを多くいただきます。詳しくは、精神科受診に関する課題に解説してあります。

その延長線上に、「どの診療科に行けばいいかわからなかった」「そもそも受診した方がいいのかもわからなかった」などの課題が浮き彫りになっています。こうした方々に向け、本サイトでは、病名からではなく、あえて「症状」からスタートします。それも、どうしたら「症状」と定義できるのか?どこまでが健全でどこからが症状と呼べるのか?といった内容に留意して解説しています。

とらえどころのない精神症状をわかりやすくし、理解できる説明を試みることで、今起こっていることに理屈が通るようになると、一旦は安心できるのではないかと考えています。

 

本サイトには、過去の偉大な研究の成果やエビデンスに基づいた診療ガイドラインの内容を解説しているだけではありません。筆者がこれまで精神科医として出逢い、そして多くのことを教えてくれた生身の患者さんの個人的な経験談や彼らの「ことば」がそのまま活かされています。机上でしか成立しない原理原則でなく、患者さんと共に歩み実践してきた原理原則が載せてあります。

人は、理解できない事象を目の当たりにすると、混乱してしまい、それを避けようとしたり、「自分とは違うもの」として視界から遠ざけようとしてしまいます。本サイトを通じて、取っ掛かりとしてメンタルヘルスへの理解と偏見の軽減が進めば幸いです。そして、こころの異変に筋の通った説明が与えられることによって、「これなら対処できそうだ」と理解を深め、希望の道筋が見えてくることを願っています。

皆さんの健康を願っております!

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